《訪問年:2011年》
ホームが地下にあるトンネル駅で、階段が486段もある「日本一のモグラ駅」として有名です。
隣の湯檜曽駅と同じくホームが地下にあるトンネル駅です。
川端康成の小説「雪国」の冒頭に登場するトンネルのモデルになっているトンネルの近くにあります。
そのトンネルは現在上り線に使用されている清水トンネルです。
1931年(昭和6年)に上越線の信号所として開業し、翌年から冬季のみの旅客営業を開始しました。
1936年(昭和11年)に駅へと昇格し、1967年(昭和42年)の新清水トンネル開通(上越線の複線化)に伴い下りホーム(地下)を新設しました。
この時に駅舎と上りホームが地上に、下りホームが新清水トンネル内となりました。
地下ホームへは、地上部:143mの連絡通路と階段2ヵ所(24段)・地下部:338mの階段(462段)を通らなければなりません。
改札から下りホームまで10分程かかるので、有人駅時代は下り列車の改札は10分前で締め切られていたそうです。
駅舎の標高が653.7mですが、下りホームは583mなので、標高差が約70mもあります。
ちぐはぐな駅になってしまったのは、前述の通り元々開業時は単線であったのを新トンネル開通に合わせホームを増設した事にあります。
土合駅を挟んで両隣の駅との間には、上りはトンネル3本とループ線がありますが、下り線は新清水トンネル1本だけです。
長大トンネルを掘る技術が向上した結果ですが、技術の進歩は必ずしも便利な事ばかりでは無いという事に気付かせてくれます。
駅前には何も無く、普段は乗客がほとんどいません。本数も一日5往復程度です。
ただ、夏期は谷川岳への登山客が多く利用しており、夜に行くと山小屋か?というくらい人がシュラフで寝ています。
地下ホームの感想です。
トンネル内という事でひんやりしていて過ごし易いですが、湿度がかなり高いです。
列車がトンネルに入ると下から霧がモァ~と上がって来ます。
また、階段とホームでは温度差がかなりあり、眼鏡やカメラが結露するので注意して下さい。
地下への階段の前に立つとまず、その深さに「おぉ~!!」となります。
約340mあるので1段目が遠くに見えます。
階段は5段ごと踊り場が設けれており、10段ずつ段数が表記されています。
下りるのは楽ですが、上りはかなりしんどいです。
電車で登山に来る人はまずこの階段の洗礼を受けます。
荷物を背負って上ると結構堪えるかと思います。
通年営業のトンネル駅は日本に5駅あります。
【今回紹介】
開業は1931年(昭和6年)です。
1931年(昭和 6年)上越線の信号所として開業
1936年(昭和11年)駅に昇格。
1967年(昭和42年)駅舎改築。新清水トンネル開通に伴い下りホーム運用開始。
1985年(昭和60年)無人駅化。
2000年(平成12年)関東の駅百選に認定。
2017年(平成29年)駅内連絡通路を含む「土合駅構内土合斜坑」が
土木学会選奨土木遺産に選ばれる。
最上段(462段目)から。
ここに立つと「おぉ~」となります。
※写真は明るく加工しています。実際はもっと薄暗いです。
秘密基地に続く階段の様です。
手摺と照明が等間隔で並んでいるので芸術品みたいです。
斜めから見るとさらにトンネルが強調されます。
階段横の舗装されていない部分は、エスカレータ用のスペースだそうです。
エスカレータが設置される日は果たして来るのでしょうか、、、
途中に休憩用のベンチがあります。
階段横に説明看板が立てられています。
10段ずつ段数を強調されています。
反対に残段数で気が重くなるのでは?と思います。
いよいよ(やっと)ホームへ。
待合室があります。
待避線を廃止したため、ホームが2段になっています。
霞がかっていました。
かなり湿度が高いです。
ホーム先端から。
以前はかなり長かった様です。
下り列車の入駅。
階段を上がっていく乗客。
通過列車。
放送などの案内はありませんが、音と空気の流れで来るのが分かります。
立派な駅舎です。
駅舎入り口に掲げられています。
正面が改札です。
左に待合室があります。
改札を入って右が上り方面。
左が下り方面。
左右で天国と地獄の駅です。
下り方面の連絡通路。
窓が大きいため、結構明るいです。
国道を跨ぎます。
“486"段ある階段の最終段です。
ここから魔の階段が始まります。
通路とトンネルの接続部にある扉。
扉には“お疲れさま”“がんばれ”の文字があります。
改札を出るために頑張らないといけない駅とは、、、
扉を出ると急に広くなります。
奥がトンネルの入り口です。この部分で川を渡ります。
ホームへ行くのに国道と川を跨ぎます。
通路の窓から。
人家が無いため、川の水がとても綺麗です。
階段側から。
正面の壁は突風を逃すための物です。
休憩用のベンチがここにもあります。
通路を国道から。
雪国といった造りとなっています。
もはや連絡通路の範疇を越えています。
この通路を造るのに4年もかかったようです。
上り線のホームから。
“出口”と大きく書かれた看板が掲げられています。
何故かは↓を見てもらえれば、、、
ホーム先端から。
出口はずっと向こうになります。
今はここまで列車は来ません、、、
待避線の跡があります。
単線時代の名残でしょうか。
過去にはさらにホームが続いていた様です。
上り列車の入駅。
2両編成なのにどこまで行く?というくらいの位置で停車します。
最短の停車位置が4両編成用みたいです。
行き方:
前橋市から国道17号線を北上して、みなかみ町で国道291号線に入り、さらに北上します。
国道291号線は土合の先で、点線国道(未開通区間)になるので見つけやすいと思います。
駅前に大きな広場があります。