《訪問年:2024年》
岐阜県 八百津町にある国道418号線(旧道)に架かる吊り橋です。
丸山ダムの建設に伴い1954年(昭和29年)に架けられました。
構造は下路型単径間補剛トラス吊橋(フロリアノポリス型)で、支間114m、幅員4.5mとなっています。
トラス橋と吊り橋を組み合わせた様な構造が特徴的な橋です。
橋の両端はトラス構造ですが、中央部分には補剛トラス上弦材が無くワイヤーが兼用する吊り橋構造です。
アメリカの橋梁技術者デビッド・バーナード・スタインマンが考案した構造の橋です。
この構造の橋は世界で5橋しか架けられておらず、現存する3橋のうちの一つが旅足橋となっています。
他に現存する2橋は、ブラジルにあるエルシリオ ルース橋(1926年架橋)とオーストラリアにあるウォルターテイラー橋(1936年架橋)です。
吊り橋には様々な構造があり、急速に技術進歩する時代の過程で生まれた橋です。
そのため採用数が少なく、この橋の後に同構造の橋が架けられる事はありませんでした
丸山ダムの丸山蘇水湖に流れ込む旅足川に架けられていますが、直下がダム湖となっているので橋から川を望む事は出来ません。
丸山ダムの再開発事業により新丸山ダム(嵩上げ約20m)が完成(2029年度)すれば水没する予定です。
上流側より。
ケーソンが道路脇に埋まっています。
予備知識が無いと何の変哲もない橋に見えます。
奥に丸山ダムが見えます。
施工メーカは鋼橋専業では国内最大手の横河ブリッジです。
下流側より。
こちらもケーソンが道路脇に埋まっています。
旧道の横道から。
独特な構造がよく分かります。
トラス構造の橋といった雰囲気です。
トラスとワイヤーが交わる部分。
切り取った様な構造です。
中央部。
完全な吊り橋の構造となっています。
反対側も同じ構造となっています。
上流側にある岩の上から。
数年後には沈んでしまう運命にあります。
ただ、珍しい橋なので保存しようとする動きもあるそうです。
せっかくなので何かしらの形で残って欲しいです。
行き方:
美濃加茂市内より国道418号線を東に八百津町方面へ行きます。
丸山ダムを過ぎた先で旧道へ入ります。2kmほど旧道を進めば旅足橋に着きます。
現在、新丸山ダムの躯体工事が行われており、旧道入り口に居られたガードマンの話では平日は進入禁止で休日は通れるらしいです。
旅足橋の上流にある湯谷橋に出る県道353号線からも廻り込めます。