
《訪問年:2017年》
近鉄・JR鳥羽駅の背後にある日和山の裾に前灯が、山頂付近に後灯がそれぞれ建っています。
前灯が保存灯台Cランクとなっています。
導灯とは名前の如く、船舶を安全に港へ導く目的で設置された灯台の一種です。
いくつか方式がありますが、鳥羽導灯は前後灯の2灯1組で構成され、2つの灯光が垂直に並ぶ向きで進入すると安全な航路となる様に配置されます。
狭い航路や入り組んだ航路、危険な浅瀬や岩礁がある場所によく設置されています。
多くはそれ自体を目標とするため灯火部が三角形をしていたり、狭い場所に建てるため前・後ともにやぐら形の鉄塔となっている事が多いですが、ここはやぐら形の鉄塔(前灯)に四角形の灯火器具、灯台と同様の構造(後灯)となっています。
初点灯は1912年(明治45年)です。
初点時は前・後灯ともやぐら型鉄造だった様です。
後灯は規模拡大で1932年(昭和7年)に建替えられ、灯火標高が4m高くなりました。
前灯は1998年(平成10年)に経年劣化による老朽化で建替えを行っています。
新規での建替えなら保存灯台から外れるはずですが、あまり資料が無いのでよくわかりません。
ちょうど明治期の灯台を調査している最中に建替えとなったため、名前が挙がった後に除外されずに残った可能性があります。
後灯のある日和山は世界で初めて実用化された無線電話の中継基地でもありました。
伊勢湾に入る船舶の情報を神島燈台から無線電話で受け、ここから郵便局へ有線電話で連絡し伊勢湾内の各港湾や船会社に電報で知らせが届く仕組みとなっていました。
また、業務電話を使用していない時は島民の公衆電話としても活用されていました。現在は海底ケーブルが敷設され無線電話は廃止となっています。
日和山山頂に記念碑が建てられています。この時に使用された無線電話機は日本人が発明した物です。
日本は現代の携帯電話の通信規格にも見られる様に無線技術の開発・改良に過去から長けており、世界で初めてマイクロ波無線を電話回線に使用したり、八木・宇田アンテナ(レーダーやテレビのアンテナとして現在も活用されている)を発明したりしていました。
特に八木・宇田アンテナは、レーダー技術を甘く見過ぎた日本海軍上層部の失態によりミッドウェー海戦で大敗した要因の一つにもなっており、日本人が開発した技術で日本が負けるという皮肉な事態も起きています。
前灯は、白色やぐら形鉄造、不動赤光、光達距離9.0海里(約17km)、塔高24.0m、灯火標高43.0m。
後灯は、白色コンクリート造、等明暗赤光 明2秒暗2秒、光達距離9.0海里(約17km)、塔高7.6m、灯火標高59.0m。

初点は1912年(明治45年)です。
1912年(明治45年)初点。前・後灯ともやぐら形鉄造。
1932年(昭和7年) 規模拡大に伴い後灯を鉄筋コンクリート造に建替え。
その際に塔高が4m高くなる。
1952年(昭和27年)機械室増築。
1998年(平成10年)経年劣化による老朽化のため前灯を建替え。
前灯は、白色やぐら形鉄造、不動赤光、光達距離9.0海里(約17km)、塔高24.0m、灯火標高43.0m。
後灯は、白色コンクリート造、等明暗赤光 明2秒暗2秒、光達距離9.0海里(約17km)、塔高7.6m、灯火標高59.0m。

塔部は灯台の形をしています。
デザインが施されているのが昭和初期の造りと感じです。

機械室は戦後に増設なので無機質です。

初点記念額は初代の物が掲げられています。

灯器はLED灯に更新されています。
以前はフレネルレンズだったそうです。

木々が生い茂っていて鳥羽市街地はほとんど見えません。
眼下に前灯が見えます。

船舶は前灯と後灯が一直線に並ぶ角度から進入してきます。

前灯の灯火部。LED灯器となっています。

沖合に神島が見えます。

古い施設なので退息所の跡があります。


無線電話の取り扱いも行っていました。

鳥羽導灯のある日和山までの道のり。
鳥羽駅(JR線側)にある立体駐車場横から入ります。
すぐに前灯への入り口があります。


整備された道を上がっていきます。

日和山は山城があったため、ちょっとした公園となっています。

山城跡。

山頂側へ。

山頂は広場となっています。

無線電話発祥の記念碑。



奥に展望所があります。

開けており見晴らしが良いです。

有名?な方位石が置かれています。


鳥羽市街。

少し下がった場所に後灯が建っています。

木々が生い茂っているので下側はほとんど見えません。


後灯へは山頂に向かう階段の途中にある脇道に入ります。

別の展望台。

少し下りた分、市街地が近く見えます。



鳥羽湾内を周遊する観光船も出ています。

鳥羽駅自由通路より。
前・後灯が並んで見えます。

行き方:
JR側改札口から北へ行き、ロータリーの前にある立体駐車場横の道から山に登ります。
前灯へは道に入ってすぐ左手の斜面に小道があります。
後灯へは山頂への道の途中に横に逸れる道があるのでそちらへ行きます。
逸れた道に入ってすぐにトイレ跡?があります。そのまま奥に行くと後灯に出ます。