《訪問年:2011年》
1954年(昭和29年)架橋で高さ54m、長さ297mの日本最長の生活用鉄線の吊り橋です。
橋の中央には歩み板として、建設現場などでよく見かける木板が4枚敷いてあります。
ワイヤーが支えている横木の上に載せ、番線で固定しているだけなので板の下には何もありません。
歩み板の外側と吊り橋の側面はワイヤとメッシュにて覆われているので、転落や物の落下の心配はありません。
ただ、中央部付近や人が固まって渡り始めた時にはかなり揺れます。
人とすれ違う際にはぶつからない様に注意が要ります。
高所恐怖症や乗り物酔いになる人は渡る前によく確認しましょう。(渡ったら戻って来ないといけません)
対岸に渡った際によく聞こえてくるのが、「怖かった」「やめればよかった」「帰りも渡らないといけない・・・」などなどです。
吊り橋は慣れていないとただ渡るだけでも見た目以上に怖いです。
歩き方のコツは、橋の中央付近を手足を肩幅程度に広げ、揺れに合わせてヤジロベエの様に動くと身体が安定します。
吊り橋は左右にしか揺れないので体を横向けず、歩み板に対して平行に立つ様にするものよいです。
怖いからと端にしがみついたりすると、下を見てしまうのと揺れをモロに受け動けなくなります。
この橋は米10kgが770円程度だった時代に、地元集落が各戸20~30万円を出し合い、工費800万円を掛けて架橋した生活道路です。
架橋前は対岸へ行くのに、谷を下り丸木橋を渡りまた谷を上がるをされていたそうです。
そのため地元住民と郵便配達員は、自転車やオートバイでの通行が認められています。観光客は禁止です。
話題性などで観光地化しており、観光シーズンかなりの人が渡りに来ます。
同時に20人以上渡らないようにと注意書きがあったり、混雑時には入り口に監視員が立ったりします。
また、一方通行規制がされる時があるため、その際は渡った帰りが有料の臨時バスとなります。
2021年(令和3年)土木学会選奨土木遺産に認定されました。
橋の入り口。
「たにぜ」と呼ぶそうです。
中央付近。
300m弱ですが、足場が悪く揺れるので渡るのに結構時間が掛かります。
対岸から。
高さがよくわかります。
単純な造りですが、結構しっかりとしています。
所々釘や針金が浮いている場合があるので注意がいります。
側面は胸の高さまで網で覆われています。
橋の下はキャンプ場になっています。
高さがあるので車や人が小さく見えます。
豪雨による災害で河原の状況がすぐ変わります。
現在は違った形となっています。
橋の側面を遠望。
行き方:
国道168号線を南下し、十津川村内にある風屋ダムの手前にあります。
国道から集落へ入る道(上野地トンネルの手前)があるのでそちらへ行きます。
駐車場は橋のそばにあります。(有料)
十津川村は日本で一番広い市町村(北方領土除く)として有名です。奈良の山中でもさらに奥にあります。
近鉄大和八木駅(橿原市)~十津川~JR新宮駅の路線バスでも行けます。(こちらは日本で一番距離が長い路線バス)
大和八木~新宮の特急バスは、停車時間が20分程と短いため通しで乗車する場合は、吊り橋を渡って戻る事が出来ません。