こうでいの探訪記

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【風景】青の洞門[大分県 中津市]

【風景】青の洞門[大分県 中津市

《訪問年:2015年》

大分県 中津市にある洞門です。

名勝として有名な「耶馬溪」の中にあります。

山国川に面してそそり立つ競秀峰の下部を掘り抜いたトンネルです。

青の洞門の総延長は342mで、そのうち144mがトンネルとなっています。

 

江戸時代、諸国遍歴の途中にこの地を訪れた禅海和尚が、鎖渡しと呼ばれる難所で命を落とす通行人を見て、トンネルを掘り安全な道を造ろうと工事に取り掛かり、約30年の歳月をかけ1750年頃に完成させました。

托鉢に回り、その浄財を資金に石工を雇いノミと槌だけで掘り抜いたと言われています。

開通後は人が4文、牛馬は8文の通行料をとっていたそうで、日本最古の有料道路と言われています。

 

明治時代に陸軍の日出台演習所への道路整備に伴い拡幅工事が行われたため、往時の形はかなり失われてしまいました。

一部に明かり採り窓や通路のノミの跡などが当時のまま残っています。

 

全国的に知られる様になったのは菊池寛の短編小説「恩讐の彼方に」で、この青の洞門がモチーフとして描かれたのと、1923年の「尋常小学国語読本 巻十二」という教材に史実としての禅海和尚の話が取り上げられ広まりました。

 

青の洞門から下流500mの場所に、日本百名橋に選ばれている「耶馬渓橋」があります。

 

駐車場から。

禅海和尚の像。

右の断崖絶壁の中をトンネルで抜けています。

奥の橋は国道で、その向こうに耶馬渓橋があります。

洞門内は狭いので片側交互通行です。

信号の時間にはあまり余裕が無いので、途中で停車したりは出来ません。

横断歩道を渡った先から当時のトンネルに入る事が出来ます。

手掘りの跡が残っています。

すぐ元の道に戻ります。

この辺りは拡張されており、当時の面影は残っていません。

車両が通れる様にだいぶ削られてしまっています。

北側の入り口横にもわずかに当時のトンネルが残されています。

ノミと金づちで掘削している禅海和尚の像が置かれています。

最初に開けた明かりを採るための窓。

無数のノミの跡があります。

山国川に架かる橋より。

奇石群の競秀峰。

対岸より。

左の穴が上の写真の明かり窓です。

 

行き方:

 中津市内より国道212号線を南下し、耶馬渓で青の洞門へ入る交差点があるのでそちらへ曲がります。

 日田市内より同じく国道212号線を北上しても行けます。

 青の洞門の南側に無料駐車場があります。