《訪問年:2013年》
恐山とは宇曽利湖(うそりこ)というカルデラ湖を中心とした8つの外輪山の総称です。
一般に恐山と呼ばれているのは、湖の畔にある「恐山菩提寺」の事を指します。
「うそり」とはアイヌ語で窪地の意味で、カルデラの事を意味します。
宇曽利湖は恐山境内付近から温泉が流れ込んでいるのと、湖底から硫化水素が噴出している為、湖水は強い酸性となっており、生物はほとんど生息していません。
魚類はウグイのみで、世界で一番酸性度の強い湖に棲む魚類とされています。
高さが89mで栃木県にある宇都宮タワーと同じ高さとなっています。
恐山菩提寺は862年に開山したお寺で、天台宗の修験道場として栄えました。
1457年に廃寺となりましたが、1520年に再興してからは霊場として全国に知れ渡り、多くの参拝者が訪れる様になりました。
下北地方は特に地蔵信仰の厚い地域なので、このお寺にもたくさんのお地蔵さんがあります。
恐山では「イタコの口寄せ」が行われる事でも有名です。
イタコが恐山に登場したのは戦後であり、イタコは菩提寺とは何の関係なく、開山期間中に青森などから来ているそうです。
境内には温泉が湧いており、無料で入る事が出来ます(参拝料が必要)
温泉名は「恐山温泉」で、明治~昭和初期あった恐山鉱山の削岩時に噴出したそうです。
源泉掛け流しで泉質は硫化水素含酸性緑ばん泉、温度は70~90℃、入浴者自ら加水し温度調整を行います。
小屋内は硫黄の匂いと暑い湯気で、正に「温泉」といった雰囲気を味わう事が出来ます。
良い温泉なので恐山へ行かれる際はぜひタオル持参で入浴を。
ただ、強烈な硫黄泉であるため、入浴前に注意事項をよく確認して下さい。
恐山菩提寺。
境内。
山門。
恐山で最も良く知られた建造物です。
正面奥が本堂。
左の小屋が温泉で、境内に4箇所あります。
本堂。
本堂の奥は地獄となっており、草木が全く生えていない箇所となります。
本堂の横から地獄に入る事が出来ます。
あちこちに風車が挿してあります。
硫黄臭が漂う中を進んでいきます。
所々にお地蔵様や石像が祀られています。
この世の終わりの様な雰囲気です。
宇曽利湖の湖畔に出ます。
綺麗な白浜とエメラルドグリーンの湖です。
とても生物が棲み難い環境には見えません。
「三途の川」に架かる太鼓橋。
悪人には針の山に見え、渡る事が出来無いそうです。
三途川は宇曽利湖から流れ出る唯一の川です。
太鼓橋の横にある「奪衣婆」と「懸衣翁」の像。
この二人によって生前の悪行の軽重が量られるそうです。
宇曽利湖に流れ込む川。
温泉が混じっているため、独特の色をしています。
硫黄臭が漂っており、風向きによってはかなり濃く、気分が悪くなりそうなくらいです。
遠くに恐山菩提寺が見えます。
行き方:
下北半島のちょうど中央部にあります。
むつ市街地から県道4号線で大畑方面へ行くと途中にあります。