《訪問年:2015年》
構造は、越流式重力式コンクリート・表層石造り、堤高13.9m、堤長87.26m、総貯水量60万㎥となっています。
大野川より取水する富士緒井路の水不足解消の為、1938年(昭和13年)に造られました。
白水ダムのある竹田市は、阿蘇山などの火山に近く地盤が軟弱な為、落水時の衝撃で基礎部分が崩壊しない様に、越流式や両端の流路等を設ける工夫が取られました。
右岸は武者返しの曲面流路、左岸は階段状の流路になっています。
水量が増すと勢いを強める中央の越流を、左右の流路より斜めに水流をぶつけ、水圧を相殺し基礎部分の保護する設計となっています。
水流の美しさから「日本一美しいダム」と呼ばれています。
無骨なイメージが多いダムの中で、機能美だけでなく芸術性にも富んだ素晴らしいダムだと思います。
右岸は武者返しの曲面流路です。
左岸は階段状の流路です。
勢いを殺した両岸からの流水をぶつける事により、中央部を流れる水の水圧を抑えています。
右岸上流側からの全景です。
副堰堤の中央付近で、3つの流れが合流する構造となっているの事が良く分かります。
うろこ状の水流がとても美しいです。
「白水ダム」は通称で、正式名称は「白水溜池堰堤」と言います。
河川法では堤高15m以上のものを、「ダム」と定義している為、白水ダムは正式には「ダム」ではありません。
「白水溜池堰堤水利施設」として国の重要文化財に指定されています。
上流は大きな溜池となっています。
「秋田県 藤倉ダム」「愛知県 長篠堰堤」「大分県 白水ダム」の三つで「日本三大美堰堤」と言われています。
全国にある明治期~昭和初期に造られた水道施設は、機能美だけでなく芸術性にも富んだ素晴らしい建造物が多いです。
意外と身近な所にも残っているので、ゆっくり眺めてみるのもいいかもです。
行き方:
竹田市内から国道57号線を阿蘇方面へ行き、県道639号線に入ります。
JR豊肥線 玉来駅の下をくぐってすぐ(ガソリンスタンドの角)の交差点を右折し、川沿いを道なりに進みます。
道が川沿いから離れるところあたりに駐車場があります。こちらが左岸側です。
右岸側へは駐車場より来た道を戻り、途中の集落にある公民館の前の橋を渡り南下します。
県道8号線と並走する集落を通る道に出ますので、看板に従い進みます。
集落を抜けたあたりに駐車場があります。徒歩15分ほど下るとダム右岸に出ます。
ダム中央部の通路は立ち入り禁止ですので、渡らないようにしましょう。