
《訪問年:2024年》
北側が津軽海峡、東側が太平洋になる潮の変わり目にあります。
その為、昔より海流の影響を受け濃い霧がよく発生する難所として知られています。
日本初の霧鐘・霧笛の設置、光達距離を可変できる構造のレンズや2600万カンデラという破格の灯器を導入したりと「霧」に挑み続けた灯台です。
また、隕石が落ちてきたり、「まぼろしの灯台」といった逸話や歴史が数多く残る灯台でもあります。
2006年(平成18年)に土木遺産に認定されています。

2018年から一般公開され参観灯台となりました。
冬季は休止で4月下旬~11月上旬が公開期間です。


受付を済ませて塔前へ。

コンクリートで補強された根元部分の奥に本来の入口があります。


初点記念額。
これを見に来たと言っても過言ではない位に嬉しかったです。

歴史ある建造物の証です。

最近はSNSの活用や記念グッズの販売など様々なPRが行われています。


塔内は螺旋階段となっています。
右の部屋では塔内部の構造を見る事が出来ます。


塔は二重のレンガ積みとなっています。

長手が3段・小口が1段と、イギリス積みとアメリカ積みを合わせた様な積み方となっています。
イギリス積みは、長手だけの段と小口だけの段を交互に積上げていく構造です。
アメリカ積みは、長手だけの段を5~7段積んで、小口だけの段を1段積んでいく構造です。


螺旋階段。
壁面と手摺は新しく補修されていますが、階段は石段で昔のままとなっています。

採光窓。

下の方は壁が分厚い。

高さが30mを超えるとあって段数も結構あります。

上に行くにつれて壁が薄くなっていきます。
内部の幅は同じで、壁が薄くなり塔が細長くなる構造です。

終わりが見えてきました。

レンズを回転させるためのワイヤーを支えていたと思われる滑車。
電動装置が導入される前の古い灯台は、塔中央の空洞に分銅(重り)を垂らしその落ちる力を利用してレンズを回転させていました。
重りが落ち切ると回転が停止するため、定期的に巻き上げるのが灯台守の重要な仕事の一つだったそうです。

灯室へ。

この灯台も例に漏れず灯室への入口は狭いです。

確認用の小窓?があります。


水銀槽式回転装置が使用されています。
中央の膨らんだ部分に水銀が入れられており、上部のレンズ部分が浮いた状態となっています。
数tあるレンズを人の力でも回せる程スムーズに回転する装置です。


分銅に繋がったワイヤーが巻き付けられていました。
ネジ状に溝が切ってあるのでワイヤーに引っ張られ回転する様になっています。

水銀槽の歯車部分は電動化された際に後付けされ、電動機の力で回る様に改造されています。

小さな電動機で回転しています。
水銀槽の効果は絶大です。

光源はメタルハライドランプとなっています。
水銀が含まれているため、いつかはLED灯に取って代わられると思いますが、フレネルレンズはそのままとして欲しいです。
灯火が電化される前は、化石燃料やガス灯が使われており燃料補給も灯台守の仕事の一つでした。


古い灯台の通気口は菊花紋デザインのものがよく使われています。
これは違いますが、二重構造になっている物は回転させると閉鎖出来る構造となっています。

外へ。
風が心地良いです。


左が津軽海峡で、右が太平洋となります。

陸地側。
寒立馬が放牧されているので、木々は少し入った所までありません。

官舎があった所。
他の灯台と違い広いです。

ブラントン灯台の典型的な造りである半円状の塔舎です。


二等フレネルレンズ。
真近で見ると大きいです。


側面。

何かがぶつかったのかガラスが破損していました。
綺麗にテープで補修されています。

塔内に戻り階段へ。

例に塗装されていますが、取手が古いので扉も年代物と思われます。


螺旋階段の天井。
段々を残しているのが意匠を凝らしています。

入口付近はレンガ積みが見られる様になっています。


日本全国に16基の参観灯台があります。
旅行の際に巡ってみるのも楽しいかもしれません。

根元部分はコンクリートで補強されています。

入口も補強部分にあります。
建設当時の入口は右側の軒部分です。

初点記念額が取り付けられていた箇所。

採光窓や灯室下部に凝ったデザインが施されています。

完成翌年に現在の照射灯前付近(写真の中央付近)の通路下に日本初の霧鐘が設置されました。
ただ、激震で塔を痛める事から数年で廃止され霧笛に変更されました。
取り外された霧鐘は千葉県にある犬吠埼灯台で展示されています。



沖にあるのが照射灯が照らしている標柱。

たくさんの歴史を刻んできた灯台です。

改修工事で出たレンガが展示されています。


参観灯台になりますます魅力が増しました。
2026年には初点灯から150年となります。
これまでと同様に海の安全を守る存在であり続けて欲しいです。
青森市内からかなり離れていますが、良い所なので観光にぜひ。
行き方:
むつ市から県道6号線を北東方向へ行くと終点が尻屋地区です。
入り口にはゲートがあります。開くのは午前7時~です。
尻屋崎周辺は周回道路となっていますが、尻屋集落側(南側)のゲートは開く時間が遅いです。