こうでいの探訪記

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【灯台】平磯灯標[兵庫県 神戸市]

灯台】平磯灯標[兵庫県 神戸市]

《訪問年:2017年》

兵庫県 神戸市にある灯標です。

1893年明治26年)11月1日初点、現存する日本最古の水中コンクリート製の構造物です。

平磯海づり公園の沖合い1.1kmの暗礁上に建てられています。

 

明石海峡は潮流が早く、古くから難所となっていました。

平磯灯標の建つ暗礁には、江戸時代頃から木製の標柱が立てられてきましたが、潮流によって何度も流出したそうです。

1887年(明治20年)には石造の灯標となりましたが、波浪で破損したため現在のコンクリート製に建て替えられました。

 

イギリス人作家 サマセット・モームが、1924年~29年にかけてアメリカの雑誌コスモポリタンで連載したものを集めた、短編集「コスモポリタンズ」の一つである「困ったときの友」に平磯灯標が登場します。

作中では「信号浮標」となっています。

 

日本の民間初であるセメント会社、山口県の小野田センメント(現太平洋セメント小野田事業所)で造られたコンクリートを使用しています。

小野田セメント第一号のセメントで「平磯灯標」が造られた、と紹介される時がありますが、炉の完成は1883年であり10年後に点灯した灯標が第一号であったかは疑わしいとされています。

 

日本初の水中コンクリート建造物は、1890年に関門海峡に建てられた灯標(現存せず)と言われています。

平磯灯標が日本民間初の炉で作られたセメントで出来ているのは間違いないので、歴史を感じながら眺めるのも良いかもしれません。

 

灯塔は南方位標識の意味である、下部を黒色、上部を黄色に塗られています。

これは灯標の南側が安全に航行できる水域で、北側には障害物があることを示しています。

 

駐車場からはスポーツガーデンを抜けて行きます。

結構遠くにあります。

フェンスの奥は海釣り公園です。

初点は1893年明治26年)です。

 1966年(昭和41年)電源が太陽光発電に変更。

 2003年(平成15年)光源をLED灯に変更。

光度390カンデラ光達距離7海里(約14km)、群急閃白光 15秒毎に6急閃光と1長閃光、塔高約15m。

保存灯台Cランクとなっています。

中段部と下部の巻いてある部分は後付けです。

スポーツガーデンと海釣り公園の間は遊歩道となっています。

端の方まで行くと明石海峡大橋が見えてきます。

恋人岬。

夜は橋のイルミネーションが綺麗な事なのでしょう。

漁船よりも大きな船は灯標の南側を航行していきます。

海面下9mにある暗礁を潜水士が平らに削り、その上に灯標を建てたそうです。

 

行き方:

 神戸市内より国道2号線を明石方面へ行きます。

 須磨浦を過ぎた先、山陽電鉄 東垂水駅付近にある下水処理場前交差点を入ります。

 下水処理場に隣にある垂水スポーツガーデンの沖合いにあります。

 海岸側は海釣り公園になっており入場だけでも有料ですが、入らなくても灯標は見る事ができます。

 駐車場はスポーツガーデン前にコインパーキングがあります。